耳鼻咽喉科研修プログラム
- 耳鼻咽喉科の特徴
耳鼻咽喉科の担当する疾患は、感覚器障害(平衡覚、聴覚、味覚、嗅覚)、感染症(上気道)、悪性腫瘍、コミュニケーション障害(聴覚、発声)、嚥下障害など多岐にわたります。これら多くの疾患についての知識を得、小児から高齢者まで幅広い年齢層の患者の治療に当たるためには、実際に多くの臨床現場で研修することが必要です。当科では年間約1000名の入院例、500件以上の手術例があり、多くの臨床経験が可能です。また当科は多くの専門外来が設置され、専門スタッフによって臨床研究、基礎研究を行っているため、耳鼻咽喉科の多彩な領域をまんべんなく研修することが可能です。
- 研修目標
耳鼻咽喉科では基本的に日本耳鼻咽喉科学会認定専門医(以下、耳鼻咽喉科専門医)取得を目標とした研修を行います。これは4年間の研修の後に受験資格が得られるため、後期研修は一般に定められた3年間ではなく、4年が望ましいと考えています。(個々の希望に応じた対応が可能ですので研修指導者に問い合わせください。)
入局後約2年間は東京医大病院または東京医大霞ヶ浦病院または八王子医療センターで耳鼻咽喉科全般に関する研修を行います。外来での研修と病棟での研修、良性疾患(主に耳科、鼻科領域、急性感染症、良性腫瘍)を診療するチーム、悪性腫瘍例を診療するチームなどでの研修を3~4か月おきに行います。
※ なお当院では初年度,耳鼻咽喉科を含む外科系講座は麻酔科研修2ヶ月を必修としています。
- スケジュール
以下に東京医科大学病院における1週間の主なスケジュールを示します。
1) 入院患者担当医のスケジュール
手術のあとの( )は手術件数月曜火曜水曜木曜金曜土曜AM8:00モーニングカンファレンス 9:00手術
(主に頭頚部腫瘍例の長時間手術)手術
(1)教授回診 手術
(3)PM13:00手術
(1)手術
(3)手術
(1)18:00医療安全会議(月1回約1時間) 院内
研修会
(1時間)医局会
英文抄読会
症例検討会
2) 外来スケジュール
※毎週火曜日午後6時からの院内研修会は必修です。月曜火曜水曜木曜金曜土曜AM8:15モーニングカンファレンス 9:00一般外来
PM13:00特殊外来難聴
気管食道めまい 腫瘍
音声アレルギー
睡眠時無呼吸人工内耳
中耳炎嗅覚
味覚18:00医療
安全会議
(月1回)院内
研修会
医局会
英文抄読会
症例検討会
※ BLS+AED,ICLSインストラクターの実施は必修です。
- 取得できる資格
4年以上の耳鼻咽喉科研修を行い、日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医、日本気管食道科学会認定気管食道科認定医の資格を取得することができる。
(専門医認定試験を受験する必要があります)
- 処遇・待遇
耳鼻咽喉科の基本的な知識を習得後、週1日(半日ずつであれば2
日)の院外勤務が可能になります。(大体の目安としては半年としています。)これ
に対する給与は勤務先から支給されます。
- 海外留学・海外研修・国内研修
年単位の海外留学はもちろんの事ながら、おもに臨床研修を中心とした、2から3か月の短期留学も推奨している。また院内基礎講座や国内の大学や癌研究会付属病院などの癌専門施設での研修も可能です。以下に海外のおもな留学・研修先を記します。
王立カロリンスカ研究所(スウェーデン)、シャリテー大学病院(ドイツ、旧ベルリン自由大学)、メルボルン大学(オーストラリア)、イエール大学(アメリカ)、トロント大学(カナダ)ほか。
- 関連研修施設
東京医大霞ヶ浦病院(茨城県稲敷郡)、東京医大八王子医療センター(東京都八王子市)、厚生中央病院(東京都目黒区)、国際医療福祉大学付属三田病院(東京都港区)、戸田中央総合病院(埼玉県戸田市)
これらの施設はいずれも関東に位置しており。 前述した週一回の大学病院での研修、研究はいずれの病院に勤務していても可能です。
- 各研修プログラムの特色
3年間で耳鼻咽喉科のあらゆる分野の基本的な取り扱いを学んだ後、それぞれの領域に重点を置いた研修へ移行する。しかしながら各コースの限られた領域のみだけを研修するのではなく他領域に関しても同時に研鑽を積むことが可能です。
1. 耳鼻咽喉科専門医取得・耳科学研修コース
- 主な指導者:鈴木衞(主任教授)、河野淳(教授)、西山信宏(講師)
- プログラムの特色:慢性中耳炎や難聴などの耳疾患を扱い、鼓室形成術の修得や補聴器適合の詳細をマスターすることを目標とする。聾患者に対する人工内耳埋め込み手術は、わが国初の症例を行って以来現在も日本で最も多くの症例数を有している。外来は難聴外来、中耳炎外来、人工内耳外来を担当する。
2.耳鼻咽喉科専門医取得・めまい、平衡障害研修コース
- 主な指導者:鈴木衞(主任教授)、小川恭生(講師)
- プログラムの特色:耳性のめまいのみならず、脳腫瘍、脳循環不全などに伴う中枢性めまいから自律神経異常、およびその他の原因まで、広範囲の平衡機能障害の診断と治療を習得することを目的とする。日本めまい平衡医学会 active member の取得を目指す場合は、合計8年、このうち同学会入会期間は5年が必要である。外来はめまい外来を担当する。
3.耳鼻咽喉科専門医取得・鼻科学研修コース
- 主な指導者:北村剛一(講師)
- プログラムの特色:アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などの鼻・副鼻腔疾患と睡眠時無呼吸を扱う。副鼻腔炎の内視鏡手術の習熟、様々な要因をもつ無呼吸の原因を多面的に解析することなどを目的とする。外来は鼻・副鼻腔外来、無呼吸外来(内科、口腔外科と連携)を担当する。
4.耳鼻咽喉科専門医取得、気管食道科認定医取得コース
- 主な指導者:渡嘉敷亮二(教授),本橋 玲(助教)
- プログラムの特色:声帯ポリープや反回神経麻痺などの喉頭疾患、や嚥下障害などの治療に当たる。音声障害の診断と外科的治療、嚥下障害の原因解析とこれに応じたリハビリテーションの計画または外科的治療の習得を目標とする。外来は気管食道外来、音声外来を担当する。
5.耳鼻咽喉科専門医取得・頭頸部外科研修コース
- 主な指導者:吉田知之(教授:八王子医療センター),伊藤博之(講師), 清水顕(講師)
- プログラムの特色:甲状腺を含む頭頸部悪性腫瘍を扱う。抗がん剤の副作用を理解し化学療法を効果的かつ安全に行う技術を身につけること、頭頚部外科の手術手技を習得することに加え、大きな視野をもって患者のQOLを考慮した治療方針が決定できることを目標とする。外来は腫瘍外来を担当する。